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エッセイ

その名も 節約日和 その1

――1人暮しをはじめる――
バイトに音楽
生き方・喰い方・稼ぎ方
3足のワラジを器用にはきこなし、
寝る間も惜しんで
お金、金を貯めはじめる。

<1人暮しの鉄則>
1.寂しがらない
2.無駄は省く
3.依って、ボーイフレンドはつくらない

3、4ヶ月もしたある日、
和歌 「お母さん、私、1人暮しをするの!」
    保証人になってくれない?!」
言うが早いか、契約書を手に
ハンコを押せ押せと
詰め寄って来た。

2、3日もすると、
荷物をさっさと運び出し、
部屋には本人がおらず、
あるのはゴミばかり。

まさかこのゴミが、TV主演のきっかけになるとは・・?

ゴミの山から出てきた走り書きのメモ。
今の私に
あなた勿体なさすぎる
手の平にのせれば
純粋な恋が・・・

もしや2人暮しでは?

住所を頼りに尋ねてみれば、
同棲相手にしては
なんとも人間離れした
不思議な生き物。

私 「これ、なぁ~に?」 
和歌 「チンチラ
    一匹2万円もするんだよ。」

月14万円の稼ぎで、
家賃4万円也。調度品もままならない。
“今の私には 勿体なさすぎる”
なるほど、
走り書きのメモのナゾが解けた。

和歌 「可愛いいでしょう・・・?」
なるほど、
立って食べる仕草はリス。
殺風景な部屋で、和歌と食事中。
主食はヒマワリの種。

両手を使っては、ワシづかみ。
口いっぱいにほおばっては、
所かまわず ペッ!
殻を吐き出し、
品格の欠如、マナーゼロ。

満腹になれば、
四っんばになって
ゆっくりとはいずり回る仕草は、
ナマケモノ。

ゴロリと横になれば、
髪結いの亭主さながら
只今失業中。

終日暇を持て余し、
ゲージにチョイト足をひっかけ、
長い手足をダラリとさせ、
ユーラリ ユラ ユラ
お昼寝中のコウモリ。

がしかし、
ひとたび脱走すれば、
部屋中 隅から隅まで走り回る
素早い奴。
油断もスキもない。

1日の殆んどが、
捕われの身、囲われ者。
檻の前を和歌が通りかかれば、
裾をつかみ
チョット姉さん、寄ってシー。

たまさか男関係が来れば、
うす目を開け、品定め。

ヤキモチ焼きの
知りたがり屋のジョージ。

寝ているのか起きているのかわからない。
あてにならない用心棒。

和歌の1日の始まりは、
早朝のジョギング。
培った筋力をベースに、
粗大ゴミの日は、稼ぎ時。

稼ぐ手段は、バイトばかりじゃない。

お金が無くとも、体力さえあれば、
拾うも筋肉、担ぐも筋肉。

筋肉はつき
脂肪は減る。
節約筋を鍛え上げ、
ダイエットの総仕上げ。

その頃より、
大通り沿いにウワサ話が・・・。

「お宅のお嬢さん、
 電子レンジを担いで、大通りを走って行った。」
「お宅のお嬢さん、
 冷蔵庫を運んでたけど、どちらへ・・・?」

主人 「おい!
    和歌が金庫を担いで、走って行ったぞ!
    金も無いのに、どうする気だ!」
家主 「金庫を肩に、4階まで一気にかけ上り、
    つくや否や床に、
    ドカン!」
    階下の住人は驚いた。
   
4階建ての最上階に、
大金持ち(?)の
スーパーウーマンが住みついた。

なんと、金庫はペットの餌入れ・・・。

またある日のこと、
家主 「実は、ベランダで
    ハトのヒナが生れて・・・」

そんなある日、いかにも嬉しそうに
和歌 「ねぇ、ヒナが大空へ・・・」

ヒナの巣立ちと同時、
思いがけない
もっと嬉しい話が。

深夜番組「銭形金太郎」
ビンボーさん主演依頼。
優勝すれば、なんと
賞金20万円也。

エレベーター無しの4階。
1LDK。
風呂無し。
エアコン無し。

殺風景な部屋を
TV局が取材。
レポーターは上田氏。

部屋に入るや否や、
目に入った冷蔵庫。

上田 「さて、何が入っているかな?」
開けたとたん、思わず
「グウェ~、くせぇ~!」
絶句状態。

流石紳士、上田氏。
気を取り直し
「コレ!いったい何ですか?」
和歌 「フレンチドレッシング。」

貧乏くさいとは言うけれど、
これまでにあまたの貧乏さん取材。
がしかし、貧乏が
これ程までにくさいとは・・・。

見事、群を抜いて、
なんと賞金20万円獲得。

即興「オレの相方」が、
番組で流れた。

シンガーソングライター和歌。
TV主演のきっかけとなる。

廃品業者さながら、持ち帰った品々。
気がつけばゴミの山。

チリも積もれば金となる。
ゴミの山から発掘したスター
シンガーソングライター貧乏。

今、再びTV主演依頼。
片付けられない症候群。

男の子ならイザ知らず。
うら若き乙女!
オーメズラシ!メズラシ!

散乱し切った部屋。
TV局が取材。

踏み込んではみたものの、
足の踏み場すらない。

こんがらがったコードを
よけて、またいで取材。

知らぬは親ばかり。
いつの間にやら、ウワサ話に花が・・・。

「お宅のお嬢さんが、
 あんなテレビに出て・・・
 あなた知っているの?」

母は即座に、一言で言い放した。
「なぁ~に、裸になった訳じゃなし、
 心を裸にするとは、
 何んと勇気があることよ!」

和歌よ、
あんたはえらい!

ここにあってもまたしも
合理的な和歌だった。

(つづく)

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