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エッセイ

Age3

『昔話』 3才
鶴の恩返し


私 「ツルは羽を抜いて、
寝ないで何を織ったんだろうか?」
和歌「ペンギンさんのセーター?」
私 「大きな大きな、ゾウさんのパンツ。
夏はお鼻のホースで水浴び。
でも、冬は寒いでしょう?」
和歌「ゾウさん、大きいから、ツルさん、大変だったね」

桃太郎

私 「昔あるところに、
おじいさんとおばあさんがおりました。
おじいさんは川に洗濯に、
おばあさんは山に芝刈りに-」
和歌「幼稚園と反対ダ!」
私 「洗濯したいおじいさんがいて、
芝刈りしたいおばあさんがいてもいいでしょう?」
和歌「そうだネ!」

HINTS!
男の子、女の子と区別は止そう。

オオカミと七匹の子ヤギ

私 「オオカミさんのお腹を切ると、七匹の子ヤギが…」
和歌「切ったら痛いでしょう。
どうして目が覚めないの?
子ヤギはどうして死んでないの?」
私 「ぬいぐるみだったかも…」
和歌「オオカミさん、可哀想…」
私 「許してあげることも大切よネ」

HINTS!
善悪説でなく感覚的に、
楽しくやりとりしてみては?

花咲かじいさん

私 「ポチがここ掘れワンワン。
掘ると何が出てきたと思う?」
和歌「小判」
私 「骨がでてきたの」
和歌「どうして?」
私 「犬だから」
和歌「小判より骨が好きだよネ!」
HINTS!
母子で、各々の価値観を
めぐって話し合ってみよう。

ベッド・タイム・ストーリー
一日の終わり


寝る前のお楽しみは
ベッド・タイム・ストーリー
風呂上り 柔らかいフトンの上に
みんな並んで寝ころんで
ネコも聞き入る ベッド・タイム・ストーリー

はじまりは いつも
ねえママ、可愛いお話して!

昔あるところに
可愛いキューピーちゃんが いたの

夜 みんなが寝ると
オモチャ箱から ムックリと起き上がり
廊下を ドスンドスンと歩くの

キューピーちゃんが
ドーン
ドーン
ドーン

あんまり ドンドン歩くので
お首が コロッと落ちたの
お首は ボールみたいに
コロコロ 転がって
すると廊下に
ポタ ポタ ポタと…

可愛いどころか 怖い話
ふるえあがって ママの首にしがみつく
それこそとっても可愛い キューピーちゃん
しがみつきたいだけ?

怖がるくせに 何度もせがむ
そのたびに 眠くなるまで
50回も 100回も 抱きしめた

その上ママは 替え歌の名人
ゾウさん ゾウさん
お鼻の下が長いのね
だから母さんは 気が短い
HINTS!

寝る前の時間を楽しく
その日怒ったこともチャラになる


ママなぜ?
ドーシテ?これなあに?
3才ともなると 思い出すのはバンビの物語。


「お母さん、これなあに?」
「それは蝶々 それはタンポポ」

バンビの疑問に丁寧に対応していた。
私もまた 和歌とのやりとりが
一日中、楽しくてならなかった。

お月様と和歌
「ほら!見てごらん、お月様よ!」

歌うようにスキップ
「私が歩くと、お月様も歩く」

足を止め
「私が止まると、お月様も止まる」

ねえママ、ドーシテ?
どうして丸いの?
どうしてあんなに明るいの?

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こんな可愛い疑問に応えるかのように
目を細め一層ニコヤカに
光々した光を投げかけてくれた。

虫のオーケストラ
秋ともなると、都会でも、
わずかばかりの下草をかきわけて
精いっぱい羽と羽をこすりあわせ
ひびいてくる、虫のオーケストラ
ママと並んで、寝んね、

「ほら、耳を澄ましてごらん」
いつか眠りに誘い込む、天然のオルゴール

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ある晩
「羽があるのに、ゴキブリは、ドーシテ鳴かないの?」
「薄くて油っぽくて、ツルツルしているから」

それに音を立てると
ネコに気づかれるでしょう

8匹のネコのオモチャは、ゴキブリ
目をランランとさせ、サッカー試合、
和歌は、可哀想といいながら、
試合見物が大好きだった。

HINTS!

今忙しいの、だから後でネは止そう。
一言でいい、何か答えよう。


『幼稚園選び』

選択するにあたって、

1. 3年保育。
2. お弁当がある。
3. 通園バスでなく、歩いて通えるところ
4. 学習するよりは、たくさん遊ばせてくれるところ
5. 土や泥、緑がたくさんあるところ
M幼稚園は、これまで親子で自然の中で
体を使って遊んできた和歌にとっては、
うってつけの幼稚園だった。

幼稚園年少あか組

はじめてのことばかり。
幼稚園生活もはじめてなら親から離れることも初めて。

どんなに寂しく、つらくとも、
お友達や先生と遊んだりしながら、じっとお迎えを待つ。

安心して遊びだすまでに個々人、格差はあるが、
2、3週間はかかる。

それまでは、毎朝門を境に、
まるで生き別れの映画のシーン。
親のあとを追って、泣きじゃくる子、もらい泣きする子。
門の前で足がすくみ、カチカチに固まる子。
門をよじ登って追いかける子。
安全のために、門の鍵はしっかりと下ろされた。

先生方はてんやわんや。
抱いたり、おんぶしたり。
あか組は、まるで大きな赤ちゃん。

手足をバタつかせ泣き騒ぐ子を、
すみませんと先生に託し、急ぎ足。
逃げるようにその場を去る。
親もまた、辛く悲しい。

これまで、ほとんど親と一緒。
離れる時は、お昼寝中に、そっと抜け出し、お買い物。
慌てて戻れば
目が覚め、泣いている。
寂しいのではなく、不安になるのだろう。
これが1、2才児の平均だった。


和歌とお留守番

自立心が旺盛。待っててネが解かる子。
それだけに、むしろ他の心配。

鍵の開け方。
私の一挙一動を、じっと観察。
トイレに入り、自分勝手に内鍵をかけ、
鍵を壊して出すまでに、時間の長かったこと。

不安にさせまいと、紙に絵を描いて、
ドアの下、1センチほどのスキ間から、次々にメール。
泣くどころか、
「今度はネコちゃん、今度はゴリラ」と次々に催促。
急に静かになったので
どうしたんだろう?
突然、トイレットペーパーをひき出しガラガラと回る音。
ジャージャーと水を流す音。
けたたましく、ゲラゲラと。

トイレという密室は、貸切の個室だった。

2歳頃のお留守番。
買い物からあわてて戻れば鍵がかかって入れない。
「和歌、開けて!」
「開かないの、ママ開けて!」
やっとの思いで部屋に入ると
「お母さん、お帰りなさい」くるりと振り向いた顔には、
真赤な口紅がくっきりと。

親と離れることに不安はなし。
不安だったのは、私のほうだった。

『あか組園児脱走事件』

あか組さんもすっかり慣れ、親も先生もホッと安心した頃。
そのスキをつくかのように、
「エッ!まさかっ!」
幼稚園史上、記録に残る画期的な事件が発生した!

「お母さんと一緒に帰りたいよ!」
大泣きが始まった。

先生方が、チームワークよろしく、抱き込み、
押さえ込んで教室の中へ入れるやいなや、
廊下に飛び出す。
門をよじ登ろうとしたところを
とり押さえられ、引き下ろされ悲しげなオリのサル。

門にしがみつき、
「開けてヨー、開けてヨー」と両手で門をガタガタと。
とその時、不思議なことに、
「開けゴマ」
重い鉄の門の扉が、大きくゆっくりと開いた。

突然開いた扉に驚いた男の子。
一瞬泣きやんだかと思うと、
今までになく大声で泣き、
いきなり門から飛び出し大通りに向かって走り出た。
その子を先頭に、あか組園児全員脱走。

たった一人、門の中にとり残され、気まずそうに下を向いていた子がいた。
それが、門の鍵を開けた和歌だった。

この降ってわいた騒動に、近隣の人たちは驚いた。
通行人の協力もあって、幸い事故もなし。
園児全員無事保護。
先生方もホッと胸をなで下ろした。

あか組保護者会
開園史上初めての出来事に、
さっそく、あか組保護者会が開かれた。
父兄の間で浮かび上がったのは、江崎和歌とその母親だった。
「江崎和歌は悪い子か?」

「今度はお騒がせしてすみませんでした」
と言う挨拶に始まって、事のいきさつが語られた。
-「はじめて親から離れる心の動き」-をテーマに、
今後も引き続く、良い参考例になると-。

◎幼稚園の保育方針
*1人1人の個を尊重
*自発性を大切にする
*思いやりのある子を育てる

3つをモットーに親と教師の話し合い。
「本当に人の事を思いやるやさしい子」とは?
親にとっても、教師にとっても大きな課題。

「江崎和歌ちゃんは、日頃静かで大人しいというイメージだったが
思い切った事をする子、
正義感と情に厚い子、
自分が決めた事は、自発的にやる子、
そして、本当はとっても思いやりのあるやさしい子だった」と園長の弁。

「おうちに帰りたいよー」と泣く子を、
ずっと可哀想にと思いつづけていた和歌ちゃんが、
ある日、意を決して、門の鍵を内側から開けてあげた、
ただ、それだけのことでした-。

そして、そこに至るまでのいきさつと、
心の動きと言動を観察していてくださった一人の若い女の先生が、
「私にも責任がある。教師冥利に尽きる出来事だった」と。
「和歌ちゃんは、泣いているその子のワキにしゃがみ込んでは、
いつも何か問いかけるかのように、言いきかせているかのようでした-。
きっと
『お母さんは、ちゃんとお迎えにくるよ-』と言っていたのでしょう」
今一つ、私に、
「先生、この子お家に帰りたいんだって」と、
「お母さんの方がいいって言ってるよ!」と、
何度も何度も、その子と先生の間を行ったり来たりして、
知らせに来ていたという。

涙ぐんでいるお母さん、
親も先生も、各々に思い当たることがあるのだろう。
かつて例を見ない保護者会だった。

私は最後に一言、
「本当の思いやりとは、随分責任が伴うもんなんですね。
お騒がせしてすみませんでした」
と、つけ加えた。

HINTS!

子供の主体性を大切にしよう。

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