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エッセイ

初めての海外旅行アメリカ旅行

ダイナミックな企画 .... がしかし
たった一人、気がかりな子が ...。
それは、あだ名が天然ボケの
江崎和歌だった。

海外旅行が初めてならば、
飛行機に乗るのも初めて。
しかも見知らぬ地、アメリカへ。

仲間は、気が気でならず、
天然ボケが時差ボケになると
どうなるか?
迷子札でもつけておこうか?

うわさをすれば
早くも症状をみせはじめ、
ボケーと登場。

その身なりに、
辺りの乗客を始め、
一同注目!

でっかいギターを肩に、
誰よりも小さな荷物。
これでは熱海か湯河原の
温泉街のギター弾き。
誰もが見ても、見ない振り

おまけに、つま先立ってぎこちない。
「ところで誰か、コンタクト1つ
貸してくれないかい?」
よりにもよって、コンタクト片目紛失。

足がすくわれるとは、
まさにこの子のこと。
「何かあったら、あったまでだ!」
と無責任。
その上ケチ。
たった一人旅行保険に入らず。

夢に見た、空飛ぶ大きな鳥。
生まれて初めて乗る飛行機。

着席するなり
「ベルト、どうやってはめるの?_
どうやってはずすの?」

乗るのが初めてなら
窓から見る景色も初めて
フワフワとした白い雲。
「私、あの上、歩きたい」
窓に張り付き、身を乗り出した。

年齢は20才ではあるが、
はしゃぎようは小学生。
何かと気が気でならない子!

こんな子ではあったが、
ケチと節約を押し通し
アメリカ旅行にかけた
1つの大きな夢!

それは
ギター1本
サンタモニカの路上で
自分の歌を歌うこと。

空飛ぶ大きな鳥は、
でっかい夢と希望を乗せ、
海を渡り、
念願が叶いますようにと、
アメリカの地へ
静かに翼を下ろした。

plane.gif

ホテルに無事到着。

ホッと胸をなで下ろすも束の間、
またしても迷子。

山中、月明かりで歩ける子が、
ホテルは明るく広すぎた。
揚句は、ルームは
どこもかしこも押しボタン。

突然音楽が鳴り出し
明かりが点いたり、消えたり。

第1回目は、一晩中、
全りと全ゆるボタンを
押して終わった。

おまけに不慣れなルームキー、
自ら自室をロック。
入るに入れず、
出るにでれず。

ようやくホテル生活にも慣れた頃、
ギターを担いで、
サンタモニカの路上へと。

1回目 ストリートミュージシャンを
遠巻きに眺めて終わった

2回目 勇気を出して
ミュージシャンの脇に並んでみた。
ニッコリとほほ笑みかけられ、
笑われた気がして、
そそくさと去った。

3回目 今度こそはと
まん前に立ってみたが、
歌うどころか声も出ず、
やっと言えた一言は、
「CD One Please!」
8ドルのCDを買って終わった。

アメリカ音楽の
スケールの大きさ偉大さに
圧倒されっぱなし。

焦りと不安をかき消すかのように、
連日、一人ギター練習。

象の前に立ったアリ、
ちっぽけな自分を発見。
日頃、図太く態度がデカイが、
人生20年。
一番謙虚に、そして素直になれた日。
めずらしくナイーブになった和歌だった。

一人の人間も、
変われば買われるもんだなんだなぁ~と。
仲間も感心していた折りも折。

あっという間に
元通りの和歌に戻った事件が起きた。

希有なる子が、希有な体験を!

それは
全世界を衝撃の渦中に!
「アメリカ貿易センタービル炎上」だった。

全米、テレビニュースに釘づけ。l
仲間はあわてて揺すり起こし、
「和歌、大変!ねぇテロだよ!テロ!」
と言えば
「ネテロって、私、寝テンジャン!」

事件の全容を伝えると、
「よっしゃあ、ワカッタヨ!」
ムックリと起き上がったかと思うと、
何と、二度寝に入った。

仲間はあきれ果て、
テロはテロでも
「もうネテロ!」だった。

上空はヘリコプターの爆音。
それを子守歌に
一人スヤスヤと寝ていた。

--- 何と おおらかな図太い神経 ---

事件発生から、2日もたっぷりと寝ると、
ようやく日本の家族に安否の知らせを!

がしかし、節約?ケチ?
丸で電報。

1度目は「カブトムシ、元気?」でガチャン
2度目は「私は元気」でガチャン。

ボクだって・・・・私だって・・・・と
日本の家族に思いを馳せる
そんな仲間の心をまぎらわせたのは、
犬や猫ならまだしも
たった1匹のカブトムシだった。

さあ、日本に帰ろうと・・・
とその日、
この図太さを決定的とした

最悪な事件!

空港に着いてみれば、
チケットは全て無効。

全員がガク然とする中、
耳を疑いたくなる
江崎の次々の驚いた発言。

「よっしゃあ、私しゃあもうふっ切れたよ!
こうなったら、もう
使うだけ使って、遊んじまえ!」

ケチだとばかり思っていた
江崎の思いがけない発言に、
久し振りに
全員声をたてて笑った。

今にも戦争が!
日1日と切りつめ、
安ホテルへと移動。
しかも軟禁状態。

男女7人が、積み重なるように、
一室に共同生活。
日々、焦燥感と、不安感が漂う中、
テントと比べりゃ天と地の差
いかにもキャンプ体験が豊富な
江崎の発言
「屋根があるだけ、まだマシじゃん!」

ドタン場に立たされると
開き直る和歌だった。

全員意気消沈。
そんな仲間を励ますかのように
逆境に立たされるほどに奮いたち、
誰よりも嬉々としはじめ、

ほほ笑みすら浮かべ、
戦地の負傷兵を見舞う
ナイチンゲールさながら。

おまけに、かいがいしく働き出したから
大変だ!

胃袋から、たっぷりと慰めてあげるとばかりに、
誰も頼まないのに
これでもか、これでもかと、
馬が喰らうほどの焼きそば作り。

おまけにきっぷが良くなり、
「よっしゃ、まとめて面倒見よう」と、
色柄物もいっしょくた
洗濯機にぶん投げぶん廻せば、
あっと驚くまだらの仕上がり。
「結構きれいじゃん。」
で終わった。

そんな江崎に、
誰もがなぜか笑えるのだった。

人生の悲哀をユーモアに変えた
チャップリン。

人生と言うほど長くはなく
若干20年
アメリカのドタンバの舞台を
ユーモアに変えた
チャップリンかけ出しの
江崎和歌だった。

やっと日本に帰れる日が・・・!
エ!まさか、
またチケットトラブル発生。

今、再び仲間に不安感が・・・

そんな中、
ギターをしっかり胸に抱き、
「ギターよ、もう少し長く
アメリカにいられるかもしれないよ!」

Time is more than maby.

惜しむかのように
得したかのように
一人ギターレッスン。

その姿を見て、
日本を出発、アメリカを去るその日まで、
一人の人間の大きな変化に、
仲間は驚いた。

がしかし
本人は全くそれに気がついてはいない。

そこが

Going my way.

江崎和歌らしいところだった。

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