<非行について>
- 2017.07.19
- 生きる力
●非行対応策 パート1
・学校(教師)と親
《学校》には子供達をめぐるさまざまな問題が集中し、速やかな解決が求められていることと思います。
「全く問題がない」としたら、むしろ《それが問題》と言えるほど誰もが問題の解決に心をくだいているのではないでしょうか。
しかし、限られた時間と過密なスケジュールの中で、どんなに思いがあっても一人の先生だけで対応されるのは大変なことでしょう。
何か事が発生した場合、 それが家庭あるいは地域にも「問題あり」としても、そこに解決能力がない場合はやはり中心にならざるを得ないのが≪学校≫ではないでしょうか。
日頃から家庭や地域とどう関わり、どう協力し合うかが問われている所だと思います。
警察や専門家の手に委ねる前に《学校だからできること》についてもう一度考えてみたいと思います。
特に《家庭問題》については、立ち入ることは《プライバシー》に触れるということでつい周囲は敬遠して周辺を撫でている間にその生徒のための適切な対応の時機を逃してしまいます。
往々にしてそういう家庭は地域から孤立していたり、学校との連携がとれていないなど、どこからも情報や援助の手が届きません。《学校・教師》の役割はとても大切です。
一人の生徒に関わるためには、親にも関わらざるを得ない場面が生ずると思います。
私は“子どもを支えるためには、まず親を支えなければ”という切羽詰った思いで取り組みました。
回を重ねた交流があって、親の心が安定をみると自然と子供への対応に変化が現れます。
私には苦しい親の気持ちがよく分かります。
とても他人事には思えませんでした。
「一緒に解決にむけて努力しましょう」と言う姿勢でした。
同様に子を持つ親たちは誰もが学校や教師と率直に相談でき悩みを言える「信頼関係」を望んでいるでしょう。
子供を取り巻く問題の解決の糸口はここにあると感じています。
「一緒に」とは親だけでなく担任だけでなく「関係者(先生方や学校等)の連携」でという意味になります。
たとえば《保護者会》や《家庭訪問》も一つの情報交換の機会ですが、どれだけの親が〈本音〉を言えるでしょうか。
「実は・・・」と言ったばかりに偏見や先入観を持たれたり、いじめの材料を提供した結果になる場合もある。
提起された問題を「一緒に」考えることの難しさもある。
関係者が「何をどう努力するのか」について模索することが必要である。
子供を取り巻く家庭事情は今後一層複雑になってゆくでしょう。
学校に求められる機能も多岐にわたることと思う。
それだけに体力の弱った家庭がますます増えていくでしょう。
当然「家庭でなされるべきこと」ができなくなってきた分、学校が受けざるを得ないのが今の現状である。
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●非行対応策 パート2
家庭、親と子の気質の傾向
・親子の対話がない。(親の一方的な注意命令で終る)
親子の対話
対話とは?
・ 親と子のやりとりを言うのであって、とかく親の一方的で終りがち
・ 言わせるのではなく、言いたくなる親
・ 子供の気持ちを引き出す
~はこう思うけど、あなたはどう思う?
・ 一緒に考える
こうしたらこうなるよ!
社会に向け人生の先輩として共に考え、つきあうことができれば
・ 食べて寝るだけの生活の場
・ 親はパート(仕事とローンに追われる)
子供は塾
親子のすれ違いは心のすれ違い
・ 幼児期から基本的なしつけができていない
・ 善悪
・ ルール違反
・ マナー
・ その場でキチンと対処注意する
・ 現場を捉える
・ YES or NO
・ わかり易く一言で
・しつけは学校まかせ、出来事が起きた時に、
権利ばかりを主張する親の子は
権利や自由には義務が伴うことが解かっていないことが多い
・ 代替え保育(お金で代償、全てお金で解決)
幼児期 → 50円のつもりだったのが
学童期 → 500円
中学生 → 5,000円
高校生 → 50,000円くれろ!くれなきゃ盗るぞ!
お金の価値が薄い
お小遣いをたくさんくれる祖父母が災いしているケースが多い
・甘やかすことの弊害
甘えさせると甘やかすは異なる
甘やかすは要求される以前に与えてしまう
・子供に厳しく対処できない
親自身の甘さに他ならない
親こそ自分自身に厳しくする必要がある
・出来事が起きた時、
子供の気持ちや感じ方よりも世間体を気にする
・ 子供の将来のためだから―と子育てを経済の理論で捉え
『もっとたくさん』が『もっと速く、もっと上手く』
将来楽させるつもりが、塾や習い事で大変な思いをさせがち
・ 親は必要な時にどれだけ関わってあげられるか?が大切であり
一日の生活に追われ、子供に十分目がいっていない親が多い
・仕事で親不在の場合の工夫
我子の一日の心の生活が知りたいなら、我家を開放してみること
そうすれば、帰宅時我子が誰とどう関わり、どう過しているか一目瞭然であり
特に冬場は寒い
暖を求め、ゲームセンターに走らせたり、非行に一歩近づけさせることになったりする
・事件が発生した場合
思いっきり食べて、遊んで、寝る
子供らしい当たり前の経験のないままに育った子供たちに親や教師であるというだけで
どうしてそんなに威張っていられるのでしょう
親として何をしてあげればよいのか?ではなく、
何をしてあげられなかったかを幼少期にさかのぼって、親自ら深く自問自答を繰り返し
てみることでしかない
有効な一言一句
万引き ― 子供は悪いと知っている
~させてごめんネ!
~いいのよ!お母さんはどう思われても
~一人称、二人称
私とあなたの関係がよければよい
家庭内暴力 ― いいんだよ、お父さんやお母さんに何しても
だって、産んだのは私達だもの
人にだけはしないでネ
そんなことできるようになったんだ
・他人に対して暴力をふるった場合
マイナス思考で責めたてて終るのではなく
―じゃあ、これからどうするか?
―プラス思考で接する
<謝るよりも大切なことがある>
※ 本当にイケナイことは何だろう?
―強さとは人を許すことができる強さをいう
<それは何だろう・・・>
<一緒に考えよう>
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●非行対応策 パート3
どうすればどうなる 症例より
A君のケース
・ 暴力、窃盗(バイク数台)
・ 片目失明させる
・ 補導歴7回
A君育成の過程
家族構成
父 デザイナー
母 保険外交(トップクラス)
姉 10才年上、母親の代理
本人 一人っ子同然
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家族の特質
・ 経済的に母親に主導権あり
・ 父親の影が薄く、存在感がない
・ 家族の共同生活時間帯がバラバラ
・ 家族に接点がなく
・ 子供がいつどこで誰とどう過しているかが全く見えなくなる
気質の傾向 (この親にして子の子あり)
気質の傾向 (この親にして子の子あり)
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急速に非行化した場合の対応策
・警察・少年課に相談応援を求めるのもひとつの手段である。
数多くの事例に出会っているので、教師よりも相談しやすく、
成功事例が多い。
・環境を変えてあげる(孟母三遷、引越し、転校etc.)
とかく先入観で見られがちで、立ち直る時機を逸しやすい
・正しい大人との正しい出会いを体験させてあげる
自分を解ってくれる大人との出会いは、人生の出会いでもあり、
左右の分岐点となる
※人生の先輩(兄・父の代行できる)
ボーイスカウトをはじめ、過去の良い先生を頼るのもひとつの方法である
法律上と教育上、大人社会の矛盾点
知っておくと便利 実例より
・ 拾ったお金はもらったお金?(拾得物届出の法)
・ 拾っただけなのにどうしてごほうびが出るの?
・ 1,000円届けたのにどうしてごほうびがお金でなく、引換券なの?
・ タバコと謹慎処分(停学)
・ 見つからないように吸えば大丈夫?
・ なぜ20歳から?
・ こんなこと知ってる?
放置自転車とバイクの寸借
1. 相乗りはその時ハンドルを握っていた子だけが補導
でも、はじめに「乗りたい」って言ったのはどっち?
ハンドルは交代で握っていたのになぜ?
2. 自転車とバイクをいじったり、移動させれば窃盗
しかし、所有者ではない誰かが先に移動させていた場合は窃盗ではない
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