<ある夏の日の出来事その1>
- 2007.08.07
- エッセイ
ああ、ウゼェーナ~!
ああ、1人暮しがしたい・・・
そのためには、
まず、お金を貯めること。
そして家を出ること。
そのためには、
家出をせねば!
よし、家出をしよう!
床の上のメモ。
作詞かな?
意味不明。
そんな或る日
○○○海岸
持ち物:水着・オニギリ
マンネリズムとさよなら
よし!決行!
走り書きのメモ一行残し、
水着と共に去りぬ。
突然姿を消し、
部屋からいなくなる。
私 「ねぇ、和歌が家出したよ!」
夫 「どうせ、遊んでんだろう!
夏休みだもの、静かでイイジャン!」
さっそく携帯にTEL。
「和歌、今ドーコ?」
「海だよ!」
やっと出たかと思うと、
「うるせぇーなー。
今、忙しいんだよ」で切れた。
以後、いっさい出ず。
一体どこの海に?
何にしに行ったんだろう?
それにしても
突然いなくなるとは?
日を追って苛立ちはつのるばかり。
ヨシ!こうなったら、
残された手段は、
“イヤガラセ・・・”
“全国ネットTV捜索願い” |
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[ 尋ね人 ] 江崎和歌 海にいるらしいんです。 [ 特徴 ] 髪をかき分けると、 [ 服装 ] まだらのTシャツ [ 癖 ] 猫を見かけるとすぐに抱き上げ 賞金10万円也 TV画面に大写しになったところで |
手がかりは、 “ 海 ”
気がかりは、○○○海岸・・・
一体どこの海で、何してるんだろう・・・
心中?がしかし、
泳げばイルカ
潜ればダイバー
水泳選手並
プールと海は大違い。
さすが、潮の流れには勝てず流されて、サメのエサ?
丁度その頃、
台風接近、高波注意報。
波に飲まれ、行方不明・・・?
頭をよぎるのは、
悪いことばかり。
たった1つの手がかり、
砂の上に残された
アクアラングさながら
25cm大女の足跡。
足跡は
高波にさらわれ
一瞬にして
消え失せた。
広大な海を舞台に
沈む夕陽
シンガーソングライター
江崎和歌
渚のシンフォニー
さよならコンサート
ワカ、今ドーコ?
ワカ、今ドーコ?
呼べど叫べど
ザンブ、ザンブと
波打ち際にくり返される
母と子の狂騒曲?
サブン、ザブン、ドドーン
ザンブ、ザンブ、ザザーン
寄 せては返す大波小波。
聞えてくるのは
波の音ばかり。
むなしさだけが
響き渡って止まない。
一体どこで何をしているんだろう!?
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