<高校生>

<高校生>
――高校生とは?――

まるでサナギから蝶に
高校生(15~18歳)人となる
人生はじめての
脱皮の時がきた

waka15.gif

規則とルール
学校を変えるより
自分を変えよう

自己変革のラストチャンス
自分らしさ探しの
旅がはじまった

鏡の前に立つと
いろんな素顔の
自分が見えてきた

これを可能性と
いうのかな?

自分らしさを探す旅
ボーイフレンド探しで
ちょっと寄り道

赤信号、みんなで渡れば恐くない
私はひとりでも
気をつけて渡るから大丈夫!

ドーシテ、みんな一緒じゃないと
イケナイの?

他の誰でもない
江崎和歌は
私なんだ!

――入学式――

合格祝いと
退院祝いと
母の手術のおかげで
めでたいことが
2つもあって

江崎和歌!
名前を呼ばれ
合格を実感!

桜吹雪の中
校門をくぐる

waka16.gif

校門は合格のシンボル
門の高さはいろいろあって
狭き門、広き門

表の門は、とっても明るく
裏の門は、ちょっと暗い

三通りの制服をまとった
あこがれの
女子高生

部屋中ゴミだらけの
黒雪姫は
敷居をまたぐと
白雪姫に変身

いってらっしゃいませ、
お姫さま
あなたの選択は
正しかった

おかえりなさいませ、
お姫さま
私が悪うございました
下を向いて
アッカンベー

―― 1年生 ――

この1年生初日
ワンポイント自己紹介
素敵な出会いをつくろう!と

女子生徒と先生が恋をして
先生は男子生徒の恋敵

1年生はみんな良い子
せめてものオシャレに
キーホルダー
カバンにスヌーピー
走るとジャラジャラ

思春期、反抗期
台風一過も無事通過

ルーズソックスにピアス
次のモンスーンがやってきた

友達や恋人に会うために
お弁当と山ほどの教科書を詰め
カバンは重たいが
私は力持ち
頭に詰めるよりは楽

――授 業――

始業と終業と休憩
この3つが主流となって
始業と同時に
製造ラインが廻りはじめ

大学受験生の
大量生産マニュアルを前に
行く手、管理化社会
訓練の場
忍耐力を培った

授業はマンネリズムで退屈で
睡眠学習
海底で居眠りする
深海魚

休み時間に
生き返り
ベルが鳴れば
一斉静かに

学校生活
最後の時間
部活で
一斉に息吹き返す

好きな子が
いればいたで気になり
勉強の邪魔
いなけりゃいないで
勉強どころじゃなくなった

6時限目
「問題が解けた人から帰ってよし!」

校庭の真ん中で
2人仲良く並んで
星を見ながら問題を解く
先生は徹夜で見張り
こんな授業があったらいいなあ~

――ホームルーム――

子供の頃見た空は
限りなく透明に近いブルー

High School
通学途上に見た空は
限りなく不透明に近いグレー
“灰スクール”

どこの高校もタバコの問題
職員室から灰皿が消え
生徒のおかげで
先生が健康になって

タバコの問題が
なくなると
ガムの問題になって

健康ポスターは
鼻の穴にガムが詰めてあって
ガビョウでなく
ガムで張ってあった

遅刻0(ゼロ)をめざして
頑張ろう!
その日に限って、先生が遅刻!

それどころか
クラスの1/3が遅刻
罰として
校庭のゴミ掃除

あっという間に
校庭がきれいになって
ゴミが足りなくなった

遅刻、早退、欠席は
体の具合よりも
成績大丈夫!

私は赤点だらけでも
遅刻、早退、欠席0(ゼロ)

教師はホームルームで
勇気ある江崎和歌さんを
見習いなさい!と
ほめて良いやらやら、悪いやら

おまけに誰もが
できることではない

欲しかった
ギターを手に入れるために
雨の日も風の日も
定期代を浮かせての
こづかい稼ぎ

やりたいことがあれば
やるべきことだってある

往復1時間かけて
徒歩通学

部活は水泳部
先輩の心の海に飛び込もう
体力作りに役立った

waka17.gif
――1年生、はじめてのテスト――

親には見せたくない
?はメールと成績表

親展と書いてあったのに
父は親宛と勘違い

やぶって見れば
全教科の2/3が赤点
父は「ビールがまずくなる!」と目も真っ赤

「今度の期末で頑張ればイイジャン!」
父も母もお人よし
「それもそうね」で終った

期末の目標
英 90、 現国 60、 古文 95
バスト、  ウエスト、  ヒップ

理想的なナイスバディを目指し
バラエティ番組の見過ぎで
目の前が明るく
テストが終ったら
目の前が真っ暗に

テスト前日に
浅漬けのキュウリを
食べてみたが・・・
ダメだった

期末は
ナント、全教科赤点!

追試に追試にまた追試
人の4数倍迷惑をかけ
先生への暑中見舞いに
しょっちゅうお見舞い申し上げますと
赤ペンで書いて出した

「それにしても成績が悪すぎる」
「どうしてだろう?」と
真剣に考えた時
音楽に才能があることに気がついた

HINTS!

赤点はやりたいことへ向かうステップ

私は良い脳ミソがチョッピリ
音楽、本当にやりたいことだけに
使うために脳ミソを守り

卒業するのに
必要な分だけ点をとり
日々、感性と歯を磨く

――三者面談――

「-ご子息さま・・・誠にうれうべく
○月○日に・・・ご来校を-」
赤点の呼び出し状だった

ナントは母は
とりわけ真っ赤なコートをはおって
学校へ出向き

「こう赤点が多くちゃあ~
ですから先生
赤いコートを着てまいりました」-と

waka18.gif

「それともダイエットのしすぎでしょうか?」
「そんな~」
「脳ミソは蛋白質でできてます」

何かと的はずれなことばかりいって
揚句は
「この子は孝行者で
入院中は家事全般・・・
勉強どころじゃございません」

「ハァー和歌さんで
助かりましたねぇー」
孝行者の話で終わった。

帰りの道すがら
「ホラ!和歌、空見てごらん
きれいな赤い夕焼けよ!」

なぜか
「ソラ見たことか、赤点」と聞えた

昔いじめがあった時
こんなきれいな青い空の下にも
人をいじめる可哀想な子が
いるんだねぇ~と

久し振りに母と並んで
空を見上げた

同じ渋谷
遠くバンタン上空に
子供の頃見た限りなく透明に近いブルー
あの日の青い空が広がっていた

流れる雲に乗って
「オーイ、音楽やりたい者
この指とまれ!」

―「赤点なんてもうどうでもいい」―
自然の中で培った
エネルギーと感性を
音楽にして

高校生

今まさに蝶となって
バンタン上空をめざし
はばたけ!和歌だった

waka20.gif